「ああぁっ……ああぁぁ……っ」
愛撫に感じ入るような、うっとりとした美奈の声は、明らかに今までと違う声色だった。
切ない疼きに寄せられた眉根は、快感が深くなる毎にだんだんと強く寄せられていく。悦楽に悦ぶように綻んだ唇からは、真吾の脳を蕩けさせるような甘い声が絶えず洩らされ、意識がなくても強い快感を得ている事が判断できる。
意識の無い美奈の股間に、真吾は顔を埋めていた。
乳房に口づけたら、我慢できなくなってしまった。
美奈の肌理の細かい美しい肌は、何時間でも口づけられるような至高の肉感だった。夢中で口づけているうちに、彼女の全てが見たくなった。
クラスメイトの女子のあられもない姿は、抑えが効かないくらいエロい……ブレザーの中で、乳房も露に肌蹴るワイシャツ。ソックスとローファーだけ履かされて、下はすっぽんぽん。
人形のような綺麗なロリっ子に、制服プレイしてるような錯覚的なエロス。
美奈だからこそ醸し出せるその雰囲気に、真吾はどうしようもないくらい興奮してしまった。内に秘めた昂ぶり続けた劣情は、既に抑え切れない程に膨張していた。
それも人形みたいに綺麗で可愛い子を、自由にできるのだ。こんな状況に、興奮を抑えられる訳がない。
ちゅるりゅると舌でクリトリスを弾くと、美奈はピクピクという反応から次第にビクビクという強い反応に肉体を振るわせ始めた。
真吾は美奈の無毛の丘に、吸いつくように口づけを深めた。
「ああっ!あっあっ……だめ……ああ~!いく……イクイク、イっちゃうぅ~!」
消え入りそうな素の時の美奈からは、想像できないような合図の音吐。美奈は突き出すように、腰を浮かせる――動いた!?
起きたのだろうかと心臓がドキッと跳ねる。
咄嗟に美奈の腕をM字に開いた脚の下から通すと、真吾は掴んだ腕を少しキツめに引っ張った。自由に力の入らない今の彼女の身体状態なら、これだけでも十分に拘束できる。
自然に背を反らされるような形で夜空に浮かんだ美奈の裸体は、まるで天の川に掛かる欄干橋のように、優雅で芸術的だった。流れるような長い黒髪が、川の水面のように月光に煌いて、とても幻想的で美しい。
唇をぴったりと、今しも絶頂を迎えようとしているクリトリスに貼りつけ、やんわり吸い上げると柳腰がプルプルと大きく振動する。
美奈の身体が夜空に浮かぶ弓のようにギュッと撓み、腰は細かく揺れながら戦慄する。
「ああ!イクイクイクイク!!ダメ!ダメ~!イク……ああぁあぁ――――!!」
腰をガクガクと大きく上下に揺らし、美奈が昇り詰めた。意外な程に激しい美奈の昇り詰める姿は、誘うように蠱惑的で、見惚れてしまうほど美しい。
昇り切った美奈は、まどろみを消化するのが精一杯なのだろうか。吐息を洩らしながら刹那の間、虚空を眺めていた。
美奈はまだ、何をされているのか気づいていないのだろう。
虚空を見つめた夜空のような双眸は、押しつけられた快感に浮かされるように、まどろんでいた。
人気のない夜の公園で、殆ど会話をした事もないクラスメイトを、半裸に剥いてレイプする……何というヤバいシチュエーションだろうか。
美奈があまりに魅力的で、止めるという選択肢は既に、頭の中から抜けて出ていた。
それは今も同じだ。
ドキドキと胸を打つ鼓動は、煩いくらいに激しい。胸を焼くような痛みまで伴い、締めつけるように苦しい。
ズボンの中で熱り勃ったペニスは、興奮状態でビクビクとのた打ち回る。溢れるカウパーをパンツに擦りつけ回り、濡れた生地に冷たさを感じる。
漸く収束したのか、美奈の瞳がこちらを向く。
美奈の双眸は真吾の姿を認めると、驚きに大きく見開かれた。
「――え!?な……×んx×!?――なぬ……なん……なな、何で……!?」
美奈はだいぶ混乱しているのか、発せられた言葉は真吾に理解できなかった。意味不明な日本語(あれは日本語か?)で、喫驚の声を上げる美奈。
気持ちはわかる。
意識が戻ったかと思えば唐突に絶頂を迎え、視線の先には送り狼よろしく――会話もろくにしていないクラスメイトに、アソコを舐められているのだから。
「た――たたた滝川くん!?私、どうなって……あの、これはどういう……事なの……ねえ、滝川くん……」
呂律に少し怪しい部分はあるが、言葉は理解できるものになった。人物を判別しているという事は、自我はしっかりしてると認識できた。
今にも泣き出しそうな苦痛に満ちた双眸は、自身の淫核に未だ口づけているクラスメイトを、瞬ぎもせずに見ていた。
美奈の打ち震える細い声音には悲愴感が漂い、真吾の心は悲鳴を上げたように、キュッと痛んだ。なのに破廉恥な美奈の姿に、心惹かれてしまう矛盾した自分に真吾は苦々しい思いを懐いた。
遣る瀬無い思いの全てを劣情に変えていくしか、苦しみから逃れる術を真吾は未だ知らない。心は悲痛に喘いでも、下半身は別人格だ。
「――滝川くんがどうして、こんな……ああ!あっあっああ~っ!」
美奈の言葉の終わりも待たずに、口づけた唇を徐に真吾は動かした。淫核への口づけを強めると、そのまま唇にクリトリスを抱き込んだ。
キュンとくる刺激に突き動かされた柳腰が、ビクンと大きく揺れる。
「はううッ!止めて滝川くん、やぁ……あっあっあ……っ!」
美奈は逃れようと身体を動かそうとした――が、動かない。妙なポーズで固定された身体は、僅かな動きではビクともしなかった。
切ない状況を憂えて、美奈が歪んだ眦に涙を浮かべる。
拘束されたように動かせない身体を、クラスメイトの男子が好き勝手に貪る。勃起した淫核を自分勝手に嬲り、卑猥な音を響かせながら、咀嚼するように我欲剥き出しにしゃぶられる。
ヒクヒクカクカク――快感で足腰が痙攣し始める。アクメを迎えたばかりの敏感な場所に、強制的に快感を送り込まれた身体が、余韻を消化しきる前にもう一度、昇らされようとしていた。止めてくれないと悟ったのか、諦めたように声を殺す美奈。
「だめ!滝川く――いく……やっ……いやぁ……止めて、だめだめだめェ!イっちゃう……滝川くん、やだ……んんんんんん――――ッ!!」
見ているだけでも切なくなるような、美奈のイキ姿。イキ顔は可愛く、捩れる括れは芸術品のように美しい……忍ぶ喘ぎ声は、何故かメチャクチャにしてしまいたくなるような衝動に駆られる。
ぐったりとベンチに沈む細い体躯に、真吾はそっと覆い被さった。
手折れそうな程に細い首筋に口づけると、シャンプーの匂いが鼻腔を擽る。美奈の香りは柔らかで甘く、脳が溶けてしまいそうな程に痺れた。
「んっ……ダメ、どうしてこんな……何で、こんな事……」
眦に新しい涙を浮かべ、その痛切な表情に心は痛みで軋んだ。
なのに、強い拒絶を美奈から感じられないのは何故なのだろう。
ただひたすら悲しげに潤む美しい瞳は、星空を隠すような雲に覆われしとどに濡れる――燃え上がるような昂ぶりは、痛々しい美奈の姿に鎮められた。
「ごめん、大崎さん。こんな事して……」
美奈の頭を咄嗟に抱きしめてしまったのは、目を合わせるのが怖いからだった。
怖い程に美しい瞳を見てしまうと、怖気づきそうになる……。
真吾はそれが怖かった。
「僕には大崎さんを襲わなくちゃいけない理由があったんだ――って聞いても、は?って感じだよね……」
何も言わない彼女に気まずいものを感じながら、真吾は美奈の下腹部に手のひらを当てた。
黒い靄がフワッと沸き立つ。
靄は何故か、駅で視た時よりも薄いような気がした。美奈にこれが視えるだろうか……。
「僕の手を当てた所に、大崎さんの目には黒い靄みたいなの視える?」
示す場所を刮目するように、怪訝そうな顔をしながらもジッと見つめる美奈。
「……良く、わからない……かな。言われれば何かあるような、無いような……」
だが視えるかどうか、どちらとも無いように感じているようで首を傾げた。
目視が薄いと感じた胸騒が的中して、真吾は少し焦りを感じた。
「そう……夜だからなのかな、それとも僕の能力が弱いからか……?」
第二の覚醒とやらが失敗したのが、響いているから?
それとも夜は、陽の気が低いとか……若しそうだとしても、力が万全なら問題にもならないはずである。
「駅で視た時より弱いけど、僕にはその靄が視えてる……大崎さんは、視えない?」
頷いて良いのか首を振るべきなのか、美奈は戸惑いながら曖昧に答えた。
美奈には靄が視えていないのだから、仕方のない反応である。
視えないものを、どう説明するべきか……苦悩する心が、焦りを感じ始める。こんなアクシデント、全く予想していなかった。
「視えているものとして、話を進めさせて貰うけど……その靄は君が堕児という生物に、ココが寄生されてるって証拠なんだ」
そう言って、下腹部をポンポンと真吾は軽く叩いた。
美奈は裸のお腹を叩かれているからか、剥き出しの恥部に近いからか、恥らうように頬を赤らめて、モジモジと太腿を擦り合わせた。
可愛い彼女の恥じらいに、ズボンの中の膨張がピクンと反応した。
本心は早く美奈の|膣《なか》に挿入りたい。こんな面倒な説明なんてナシに、美奈とエッチがしたい。
真吾だって思春期の男子だ。
いつまでもお預けの状態が保つほど、大人ではない。その衝動を我慢していられるのは、彼女がクラスメイトだからだ。
なるべく穏便に、真吾も済ませたいと思っているのだ。
「僕はその堕児を、精液で殺す事のできる唯一の能力者なんだ」
「……だから、私を襲った……って、言うの……?」
美奈の疑念めいた当惑の表情に、彼女が自分の言葉を信じて良いのか疑っているのだと、真吾は感じた。
仕方のない事だと、理解してる。それが普通だという事も、わかってる。
わかっていても、悲しいものだな……。
血を分けた美里ですら、靄を見ても猶――真吾の話を、信じ切れてはいなかったのだ。他人がもっと信じ切れないのは、当然なんだ。
なのにどうして、美奈に疑念を持たれた事が、こんなに悲しく感じられるのだろう。
真吾は落胆を隠し切れず、静かな声で呟いた。
「――やっぱり信じられないよね……」
襲いたい為の妄言だと、思われてるんだろうか。
未だ当惑気味に思い悩む彼女を見て、真吾は肩を落とした。
意識の無い美奈を襲ったのだから、確かに言い訳にしか聞こえないかもしれない。でも、若しもそうなのなら……とっくに美奈の身体を、ペニスが貫通してる。こんなまどろっこしい説明なんてナシに、犯してるよ……。
握り締めた拳が、グッと力む。
幾ら口説いたところで、荒唐無稽な話に理解を求める方がどうかしてるのか。犯す事でしか解決はしないのだから、思い悩むだけ無駄なのか……?
苦悩に揺れる心が、痛みを伴いギュッと撓む。
救いたいのなら迷うべきではない。
心の奥底から、そんな声が聞こえた気がした。
「信じ……られない訳じゃ……でも、急に言われても……」
当惑に揺れる眼差しが、落ち着きなく彷徨う。
美奈の中の疑念を払拭するのは、無理なのかもしれない……。
真吾は、腹を決めた。
さっき自分でも思ったはずだ。どの道、レイプでしか堕児の存在は解決できないと……。
すぐに信じてくれなかったとしても、堕児を放って置けないのなら、いい加減そろそろ自覚すべきだ。
犯す事が、救う事なのだと――。
「死んだ堕児を見て貰うしか、ないみたいだね。ごめん、大崎さん……」
ズボンのチャックを下ろし、勃起したペニスを真吾は開放させた。
狭苦しい制服のズボンから開放されて、ビィンと飛び出す彼女の肉体を貫く為の肉凶器――ふたりの胸と胸の、僅かな空間に影を下ろす雄々しい剛直のシルエット。美奈を犯そうとビクビクと震える禍々しい影は、彼女の目には凶悪で醜悪な異物に見えているだろう。彼女の|膣《なか》に汚らしい欲望を吐き散らすのだから……実際その通りだ。
ペニスを目にした美奈はそれを凝視すると、衝撃に顔を引き攣らせる。
様々な思いが彼女の瞳に去来しているのか、震えるように双眸が大きく揺れた。瞬きを忘れた見開かれた瞳はやがて、貯めた涙をまた落下させた。
何をこれからされるのか、彼女にも察しがついているのだ。
「――やめて?滝川くん、お願いよ……」
美奈は驚きと怯えの浮かんだ顔を、僅かに振る。
溢れた涙がついに耐えかねたように堰を切ると、なだらかな頬を幾筋もの涙が落ちていく。その涙は首筋にまで伝い、口づけた時に塩辛い味を真吾の唇にも残した。
口に広がる苦い、レ●プの味――。
心ともなく美奈の方を見てしまう。
美奈もこちらを見つめていた。
何とも哀切この上ない彼女の泣き顔に、心はズキリと痛んだ。
どうして美奈は責めないんだ……。
大した拒絶もなく、何故と問うだけで行為を受け容れる美奈。責め苛む事も無く、ただ泣きながらもレイプを受け止める美奈に、真吾は苦々しい思いを懐かされていた。
強く拒絶された方が、まだマシだ。真吾は酷く切なく、遣る瀬無い気持ちになった。
美奈は頻りに「どうして」と尋ねるが、真吾も彼女に聞きたかった。
どうして責めないのかと……。
まるで悲鳴を上げるように、何故か切なく心は喘ぐ。その痛みを、どうする事もできずに持て余す。
「……たき……川くん?」
真吾は涙を流す美奈の眦に口づけていた。
美奈はその口づけに眉根を寄せながら、そっと目を閉じる。
閉じたろころに、舌の先がすくうように涙をそっとなぞると、暖かい唇が美奈の眦にまた、被せられた。涙を落とす眦に……泣かないでくれと囁くように、真吾は口づけた。
「どうして……?」
美奈は、か細い声で尋ねた。
何故こんな事をしているのか、どうしてキスしてるのか……真吾自身にも理由は、わからなかった。
怯える美奈を慰めるように、真吾は頬に指で触れる。キスの瞬間に閉じられた美奈の瞼が、微かに切なげに震えた。
何故かキスは拒まないんだね、大崎さん……。
眦から唇を離すと、細く開かれた彼女の瞳が真吾を見つめた。
真吾も、その瞳を見つめ返す。
哀切この上ない二人の視線が、息を感じる距離で交錯する。
真吾はたった今剥がした唇を頬に近づけていくと――チュッと、美奈の頬に口づけた。唇にキスをしないのは、僅かに残る良心からだった。
薄く開いた彼女の瞼が、切なげに歪む――美奈の目から一滴、涙が流れた。
「こうするしか君を助ける方法はないから……ごめん、君を犯すね」
◇
小説家になろう・ノクターンノベルズでも連載中です◇
◆◇ 関連リンク ◇◆竜を継ぐ者~黄の刻印の章(世界はエッチと愛で救われる)第一話へヒミツのカンケイ第一話へ『 M 』第一話へお兄ちゃんと私 第一話へ
2018/08/04 00:00 |
竜を継ぐ者~黄の刻印の章(世界はエッチと愛で救われる)
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