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竜を継ぐ者(31)もう一度、僕の腕の中で②



 大丈夫、落ち着け……顔は影になってるから、美奈には見えていないはずだ。真吾は心を落ち着けると、美奈の頭を労わるように撫でた。
 施されたレ●プの記憶を、美奈の身体は無意識に覚えているようだった。
 それは本人にも知覚できないレベルで無意識記憶に刷り込まれ、在る状況下に措いてのみ引き起こされているのだと、真吾は気がついた。
 自分自身へのショックも然ることながら、美奈の方がよっぽど心配だ。
 このような残酷な事実、とてもではないが本人には告げられない。とはいえ、止める事も責任放置するみたいで論外だった。
 何より、美奈を他の男の手に委ねたくない……。
 今この手にいる美奈は自分だけのもので、心も身体も、心の傷《トラウマ》でさえも、全て自分のものだ。それがただの独占欲であろうと、嫉妬であろうと……真吾は、他の男に美奈の心の傷《トラウマ》を触らせたくなかった。だからこそ、美奈をもう一度抱く。
 僕の腕の中でもう一度、美奈を女にする……。
 頬を指で撫でながら、触れるだけのキスを繰り返し施していく。
 たまに甘噛みするように啄ばむ唇に、気まぐれに耳垂に触れる指先に、美奈は痺れたように眉を顰めた。
 その唇が少しずつ唇を離れて、耳朶や首筋をゆっくり丁寧な口づけが蕩けさせていく。感じ入る美奈の息もだんだんと上がってくると、待ちわびた唇が胸元に向かった。
 丹念に唇が餅のような肌に押しつけられ、口づけが柔らかな脹らみを愛しむ。焦らすような乳房の愛撫に、瑞々しい体躯がエロティックに乱れ捩れて、とても悩ましげだ。美奈の息がだいぶ弾んできた頃――すぐに山の頂には向かわずに、お椀のような脹らみをじんわりとねちっこく口づけた。

「――はぁはぁ……はあ……滝川く……あっ、たきがわくぅん……ッ!」

 素肌とピンクのコントラストを舌先がなぞると、美奈は声を荒げ始める。
 虫刺されが腫れた程度だった美奈の頂点の脹らみが、BB弾の如く肥大しピンと起立している――凄い……と真吾は思った。これが本気で感じさせられた時の美奈のおっぱい……。
 それを自分が施した愛撫によるものだと認識すると、堪らない興奮と万感胸にせまるような喜びが、心を凌駕し熱く満たす。

「美奈のおっぱい凄くエッチだ。乳首こんなに大きくさせて……」
「は――恥ずかしい……よ、滝川くん……」

 知覚させられた美奈の突起は、更に膨らんだ。愛する男の前で、まるで見られる事こそ喜びなのだと表現するように、ムクリといやらしく存在をアピールする。
 はしたなく勃起した脹らみを、真吾は驚きと喜びの入り混じる顔で視姦した。思い人の熱視線で廉恥が頂点に達した美奈は、美しい双眸を恥じるように歪める。

「見つめられて感じちゃった?可愛いよ美奈、凄く可愛い……」

 何だろうなこの気持ち。劣情でもない、興奮とも違う……感動はしてるけど少し違う。今までに体験した事のない不思議に昂ぶる気持ち――彼女の肌に触れ、魅せられる仕草に感じて……甘くも切ない感傷が、心を翻弄する。
 焦らし続けた萌芽を愛おしむように、舌先が優しく円を描く。やがて味わうように唇が食むと、温かい粘膜が起立を包み込んだ。

「――あ……っ!!滝川く……あん、あはああぁん!す――凄いの!変になっひゃうぅ……ふああぁあぁ!」

 腕の中の小さな体躯がビクビクと跳ねるように引き攣った。
 まるで到達したかのような深みに嵌る声は、自分を見失うように激しく、彼女の口からは聞いた事もないような猥らな響きをしている。悦楽に浮かされた双眸はとろんと幸せそうに笑んで、堪らなくスケベで情欲を誘う……レイプした時と全く違う様相を呈し、素直に感じ入る姿を美奈は見せてくれた。
 素顔の美奈に魅せられて、惹きつけられる。
 ぞくぞくと全身の肌が粟立つと、先走りで竿まで濡らしているペニスがビクビクと震えた。

「ヤバい……凄ェ可愛い。何なんだこれ、こんな気持ちはじめてだ――美奈、君の身体をもっと可愛がってあげたいよ」

 星空に、優しい雨が降る。
 例え言葉がなくても、その涙を見れば彼女の心はわかるから。
 微笑むような泣き顔に、狂おしいほどの思いが募る。胸が張り裂けそうな程に愛しくて、身を切るように酷く切ない――美奈が堪らなく欲しい。
 その時に真吾は、はじめて知った。
 これがきっと、好きという感情なのだと。
 真吾は、突き動かされるように美奈の唇を塞ぐ。口腔内へ舌が滑り込むと、舌先が丹念に口の粘膜を愛撫する。
 美奈を求めるように口づけながら、真吾は制服のジャケットを脱いだ。ワイシャツのボタンを外していくと、意外とがっしりとした健康的な肌の胸板が夜の外気に晒された。

「え?な――何で脱いで……どうして滝川くんまで……!?」

 上半身を肌蹴させた胸板に、ドギマギとした恥じらいを浮かべる美奈。見たいけど見てられないというような、恥じらいたっぷりの美奈のテレた仕草が、グッとくるほど女の子らしい。
 初心な恥じらいが可愛くて、思わず笑みが浮かんでしまう。

「僕の首にしっかり掴まって」
「首に……こ、こう?」

 美奈の腰に手を回して、引き寄せるように細い体躯を持ち上げる。

「――えっ!?きゃ……っ」

 フワリと身体が浮き上がると、美奈は可愛い声で悲鳴を上げた。小さなお尻が膝の上にちょこんと乗ると、美奈と対面座位で抱き合った。
 可憐な双丘にギュッと胸板が押しつけられる――寄り添うように、ピタリと重なる二人の鼓動。

「覚えておいて、僕の熱……心の底で構わないから。僕の熱を、美奈に覚えておいて欲しいんだ……」

 美奈の瞳を真っ直ぐに見つめながら、真吾は消えそうな微笑みを浮かべた。その微笑みを、瞬ぎもせず見つめていた美奈の双眸が、潤りと揺らめいた。

「――忘れない……忘れないよ、絶対に。好き、大好き……滝川くん……」

 僕も好きだ――突いて出そうになる、たった今気づいたばかりの本当の気持ち。
 両思いなら余計に告げられない呪縛の言葉だと真吾は思った。恋人になってもならなくても美奈は囚われ続けて苦しむ。そんな辛い思いで美奈を縛りたくない。
 だから最初で最後の我侭を、どうか許して。
 どうしても、美奈と素肌で抱き合いたかった……。

「僕も忘れないよ。美奈の素肌の感触も暖かさも全部――忘れないから」

 嬉し悲しいような美奈の哀切この上ない表情は、この時間が永久ではない一夜で消える、幻のような時間だと理解してくれてる顔だった。
 涙を零すまいとする気丈な姿が、まるで恋慕に気づいた心を責め苛むように胸をギュッと締めつける。
 美奈の素肌を胸に感じると、切なさがグッと込み上げた。愛する人を素肌で抱く最初で最後の感触を、真吾は大切にじっくり噛み締める。

小説家になろう・ノクターンノベルズでも連載中です◇










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2018/08/11 00:00 | 竜を継ぐ者~黄の刻印の章(世界はエッチと愛で救われる)COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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