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竜を継ぐ者(25)夜の公園でクラスメイトをレ○プする



 優しい愛撫のように耳元で囁かれた言葉は、まるで悪魔の囁き――それはレイプの宣告だった。
 美奈は煩慮に揺れる双眸を天井に向けて、虚空を仰ぐ。まだ拒みたいのか、もう諦めたのか――彼女の胸中は推し量れず、真吾に知る術はなかった。
 ただ悲しみを深く刻む美しい彼女の目が、真吾の心を煩悶とさせる。心の深い場所に沈み込むように、何度振り切っても脳裏を掠めた。
 彩夏にも美里にも、このような苦々しい思いは懐かなかった。美里を犯した時でさえ、ここまで心は悲痛に喘ぐ事はなかった。
 どうして美奈だけが、こんな気持ちにさせるのだろう。

「あァん……お願い滝川くん、もう止めて……お願い……あっああ……!」

 真吾は迷いを振り切るように、美奈の白い首筋に唇を押しつけると、犯すように舌を這わせた。
 貪るように細い首筋に吸いつく姿は|吸血鬼《ヴァンパイア》のようだ。まるで自分の獲物だと誇示しているかのように、赤い|刻印《スティグマ》を白い首筋に残す。
 首筋に口づけていると、鼻腔を擽る美奈の芳香。脳髄が痺れるような香りに陶酔していると、沸々と情欲が湧き上がってくる。
 心は煩悶としても、美奈を犯したい欲はずっと根底に横たわり、起す時が来るのを待っていた。燻りかけた欲望の炎が再び蘇る――不死鳥のようにメラメラと、腕の中の女を犯したいと再び心に劣情が燃え上がった。
 真吾は美奈の秘所にペニスを押し当てた。
 雁首に感じる、熱く蕩けそうな膣口の抱擁。その感触を知覚すると……じわじわと情欲が、心を浸食していく。
 美奈は異物が押しつけられた感触に、ビクリとすると嗚咽を洩らした。

「はぁ、あぁ……こんな……滝川くん、うっう……こんなの嫌だよぉ……っ」
「大崎さんが拒んでも……身体はそう言ってない。僕も……」

 君とヤりたくて堪らない――とは、美奈の泣き顔を見ると口には出せなかった。
 彩夏や美里には躊躇もなく告げたのに、情けないな。どうして美奈には、いつもの誘惑めいた調子が出せないのだろうか。どうも美奈が相手だと、調子が狂う……。

「あっ……ん、大崎さん……」

 彼女の女性自身の玄関口も、客人を既に迎え入れていた。美奈の拒む意思とは裏腹に、ペニスを|膣《なか》へ引きこもうと雁首をやんわり包み込んで、|抱《いだ》くように導いていく。既に先っぽは、猥らに濡れた暖かい肉がヌルリと包み込んで、蕩けそうな心地が真吾を痺れさせた。
 僅かな隙間から覗く、彼女の身体と繋がる影――クラスメイトの男子の肉体と一本の線によって、強制的に連結させられる様を美奈は見せつけられる。

「――うっ……ううっ……もうやめて、滝川くん。こんなの嫌だよ……」

 腕の中の美奈の肩が、微かに震える。嗚咽と共に紡がれる彼女の声は、まるで良心に訴えかけているようで、鉄を舐めたように心がザラつく――再び蘇らせた劣情の熱を奪うように、耳の傍で悩乱させるように響く、美奈の哀願の声。
 そんなに嫌なのなら、どうしてもっと責めないのだろうか。

「そんなに嫌か?僕がはじめての相手で、ごめんね……」

 真吾は、自嘲的に微笑んだ。
 苦しげに笑みを浮かべる真吾の顔を、美奈は沈痛な面持ちで見つめる。
 拒絶なのか、否定なのか。左右に揺れる彼女の仕草は、いったい何を伝えたいのか。その表情に、真吾は心の痛みをいっそう募らせる。
 涙に濡れる頬を指先で撫でると、美奈はその指先の感触に、どこか甘えたような眼差しを見せた。その眼差しに苦悩するように眉根を寄せる真吾は、どこか哀切極まりない雰囲気で煩悶する。
 愛でるように触れる指先が、優しくするのはこれで最後だと告げるように、涙をそっと拭いた。

「ごめんな……」

 そう告げた真吾の眼差しが、刹那で変わる。牢乎たる強い決意に固められた双眸が、夜闇にキラリと閃いた。
 真吾は、迷いを捨てた。

「……ん……!滝川くん、だめ……!」

 留めていたものを開放させると、重力に引きこまれていくように、狭い膣穴をペニスが押し広げていく。ズルリと膣道を降りていく剛直が、未踏の狭い道を自身で掻き広げるように侵入していった。

「あん!――やだ、滝川くん……やあっ……ああっ!」
「……ッ!キツ……」

 膣道の狭さに思わず切ない息が出た。彼女の膣《なか》は美里と同等――いや、それ以上に窮屈だ。体格の問題なのか、美里よりも身体の小さい美奈の膣《なか》は実年齢よりもとても幼く感じられる。彼女の身体はどこまでも背徳的な作りをしていた。
 まるで――子供のような……。
 やっとペニスは最も狭い場所に到達した。まるで閉じるように侵入者を阻む、幾重にも被る結界のような膜の門。
 処女膜――美奈の……クラスメイトの女子の処女膜。

「大崎さんの処女……頂くよ」
「――ま、待って……待ってよ、滝川くん……!」

 美奈が何か言おうとしていたように感じるが、もう止めようが無かった。
 彼女の処女膜に触れ、興奮が身も心も一気に蹂躙してブレーキを外してしまった。もう止まれない……美奈の|膣《なか》を味わいたい。動かしたい衝動を抑える事など、できなかった。
 美奈の小さな頭を掻き抱きながら力強く、夢中で細い体躯を抱きしめた。

「ごめん待てない。大崎さん、はあはあ……大崎さん!」

 助走をつけるような動きで、興奮に駆られた腰が自然に前後に軽く動く。窮屈な美奈の性器と、ガチガチに膨張した自分の性器がぴったりと擦れ合い、ぬちゅぬちゅといやらしい音を立てた。

「大崎さん……!」

 ズンと力強く突き挿れると、ブチッ、メリメリ――と、微かな衝撃がペニスに走る。小さな美奈の大地は、極太の杭に貫かれた。

「あ~~~~~~~っ!!」

 美奈の絶叫が夜の空気に、儚く溶けて消える。
 後には池の冷たい水音だけが、耳に寄せるように聞こえる。たまに風に煽られた葉ずれの音が、優しく耳朶を擽った。
 貫通の余韻に陶酔する余裕もなく、堪らなくキツい肉感が腰に痺れるような快美感を送り込む。咄嗟に喘ぎそうな心地を何とか遣り過ごし、美奈の股間に腰を深く落としていく。
 更に強く突き挿れられる剛直が、完全に美奈の奥まで制覇すると、雁首の尖端が最深部に到着した。

「はうあ……あぁ……あああ……っ!」

 衝撃にヒクヒクと体躯を戦慄かせるクラスメイトは、処女を喪失した衝撃からか辛苦の涙を浮かべる。だが、その表情に嫌悪は感じられない。辛苦の涙が浮かぶ顔は、陶然としていた。
 処女の美奈には知りえぬ未知の快感が小さな肉体を蹂躙しているのだろうか、なかなか終わらない衝撃の余韻に、美奈は猶もピクピクと艶めかしい姿を晒していた。
 深みに嵌り抜け出せない美奈の表情に、保護欲が駆り立てられる。
 小動物のように愛くるしく、人形のように可憐。少女ような容貌のクラスメイトの女子の、抱きしめたくなるような甘い表情に、真吾は堪らなく心切なくなった。
 男心をグッと刺激するような表情に、余韻の冷却を待ち焦がれるペニスが、彼女の|膣《なか》で更に膨張しビクリと震える。
 身じろぎすら許されないほど、ぴっちりと膣道一杯に膨らんだペニスに、美奈は息を切なそうに詰まらせた。

「は……あっ、ああぁ……はあ、はあ……あああ……」

 |膣《なか》を埋める膨張に喘ぐ声に、美奈が苦しい程の悦楽を感じてくれているのが理解できた。
 疼く肉が真吾の快感を誘うように、膨張をぐにゃりと擦る。美奈もまた、彼女の意思とは関係なしに、切なく疼く肉がペニスの刺衝を求めていた。
 彼女の無自覚なお強請りが興奮を煽り、身も心も切なくさせる。胸を突く衝動に駆り立てられた真吾は、動きを留める事が最早できなくなった。
 剛直を引き出すと、愛蜜と被瓜の血を纏った肉竿が、ぐちゅりと淫靡な悲鳴を上げた。
 返す刀でたちまち膣道をまた塞ぐ。ずりゅっと、逞しい反り返りが肉を抉るように突き挿れられて、美奈の女性自身は強靭な剛直の刺衝を、歓喜に震えながらやんわりと享受した。
 悦楽と悲しみの絡み合う美奈の顔を見下ろしながら、眼前でたおやかに揺れる双丘に手を掛ける。手の中で脹らみを愉しみながら、恥らうように快感を主張する蕾に舌を絡めてやる。

「こんなのやだよ、滝川くん――あっ!んん……んくぅ、あっあっあ……っ!」

 抽挿により導かれた美奈の甘声は、耐える事もできずに、突きの速度に否応無く同調させられてしまう。言葉を紡ぐ事もできず、声を忍ぶ事も許されずに、自身でもどうにもならない喘ぎ声が、可憐な唇を突いて零れた。
 強制的に浮かせられた美奈の下肢が、抽挿に合わせて宙でプラプラと蕩揺する。力なく跳ねる様が、まるで無理に強いた貞操蹂躙を物語っているように見えて、無残な光景を更に増長させた。
 彼女を貫くクラスメイトの落とす影が、美奈の視界にチラチラと映る。
 街灯を背にしている為に、真吾の顔はろくに見えない。荒い息遣いと洩れ聞こえる切ない声、たまに掛けられる気まぐれな声だけが、真吾の存在を美奈に知らせていた。

「く……大崎さん――締まる!」

 うねる肉ビラが抽挿に逆らうような動きで、ギュウっと強く締めつける。美奈の拒む意思とは裏腹に、至福を渇望するようにペニスに甘えて離さない。
 剛直を絞るように撫でる膣道の動きに、だんだんと抽挿は早められる。
 激しい抽挿に身を捩らせる美奈は、抗うように身を屈めて、腰を引く素振りを見せた。ギュッとキツく閉じられた眦も何かに耐えているように見える。

「我慢しないでイきなよ。ココこんなに締めつけてる……イきそうなんだろ?」
「くぅ!ぅあっ……やっ……やだぁ、止めて……お願い、滝川くん。止めてェ~!ああ!あーあっあっあっあ……っ!!」

 |膣《なか》も腰もビクビクとさせているのに、わからないと訴える美奈。感覚としての絶頂経験が無い美奈は、別の衝動と勘違いをしてる可能性があった。
 有り得る可能性としては尿意。昇る前兆の感覚は、尿意に酷似している。
 真吾は腰に手を回して小さな尻をギュッと掴むと、グイと浮かすように持ち上げた。美奈の背筋が半ば強引に反らされてしまう――。

「イきなよ、大崎さん――」

 浮かされた恥丘に押しつけるように下腹部をぴったりとくっつけると、剛直の刺衝が美奈を翻弄した。ミチミチの膣道を掻き混ぜる膨張が、ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てる。
 子宮口を嬲るような丁寧で凄烈なグラインドで、奥を上下に抉られて、柳腰が身悶えるようにビクビクと踊り出す。絶頂しようとする膣筋がざわざわと激しく伸縮を始めた。
 く――!これは堪らん――!!

「くぅッ!!大崎さんの膣《なか》、凄すぎる……!」

 抗えずに腰が大きくグラインドする。
 ずりゅずりゅと、絶頂しようと伸縮する膣道を強烈な抽挿で剛直を摩った。

「だめだめだめ――!!やめ――滝川く……あっ!あっあっあっあっあああぁぁああぁ――――――っ!!」
「――も、射る……射すよ、大崎さん……!」

 ズン――至福を迎えた美奈の深い場所に、はち切れそうな膨張を強く捩じ込んだ。子宮口を捕らえると、堰が切られたように流れ込む白濁流。鉄砲水のような荒々しい流れが、今も昇る最中の場所を遠慮なく抉る。
 精液に子宮を犯される感触を教え込まれながら、美奈はもう一度昇った。

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2018/08/05 00:00 | 竜を継ぐ者~黄の刻印の章(世界はエッチと愛で救われる)COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

竜を継ぐ者(24)胸の痛みの理由も知らずに



「ああぁっ……ああぁぁ……っ」

 愛撫に感じ入るような、うっとりとした美奈の声は、明らかに今までと違う声色だった。
 切ない疼きに寄せられた眉根は、快感が深くなる毎にだんだんと強く寄せられていく。悦楽に悦ぶように綻んだ唇からは、真吾の脳を蕩けさせるような甘い声が絶えず洩らされ、意識がなくても強い快感を得ている事が判断できる。
 意識の無い美奈の股間に、真吾は顔を埋めていた。
 乳房に口づけたら、我慢できなくなってしまった。
 美奈の肌理の細かい美しい肌は、何時間でも口づけられるような至高の肉感だった。夢中で口づけているうちに、彼女の全てが見たくなった。
 クラスメイトの女子のあられもない姿は、抑えが効かないくらいエロい……ブレザーの中で、乳房も露に肌蹴るワイシャツ。ソックスとローファーだけ履かされて、下はすっぽんぽん。
 人形のような綺麗なロリっ子に、制服プレイしてるような錯覚的なエロス。
 美奈だからこそ醸し出せるその雰囲気に、真吾はどうしようもないくらい興奮してしまった。内に秘めた昂ぶり続けた劣情は、既に抑え切れない程に膨張していた。
 それも人形みたいに綺麗で可愛い子を、自由にできるのだ。こんな状況に、興奮を抑えられる訳がない。
 ちゅるりゅると舌でクリトリスを弾くと、美奈はピクピクという反応から次第にビクビクという強い反応に肉体を振るわせ始めた。
 真吾は美奈の無毛の丘に、吸いつくように口づけを深めた。

「ああっ!あっあっ……だめ……ああ~!いく……イクイク、イっちゃうぅ~!」

 消え入りそうな素の時の美奈からは、想像できないような合図の音吐。美奈は突き出すように、腰を浮かせる――動いた!?
 起きたのだろうかと心臓がドキッと跳ねる。
 咄嗟に美奈の腕をM字に開いた脚の下から通すと、真吾は掴んだ腕を少しキツめに引っ張った。自由に力の入らない今の彼女の身体状態なら、これだけでも十分に拘束できる。
 自然に背を反らされるような形で夜空に浮かんだ美奈の裸体は、まるで天の川に掛かる欄干橋のように、優雅で芸術的だった。流れるような長い黒髪が、川の水面のように月光に煌いて、とても幻想的で美しい。
 唇をぴったりと、今しも絶頂を迎えようとしているクリトリスに貼りつけ、やんわり吸い上げると柳腰がプルプルと大きく振動する。
 美奈の身体が夜空に浮かぶ弓のようにギュッと撓み、腰は細かく揺れながら戦慄する。

「ああ!イクイクイクイク!!ダメ!ダメ~!イク……ああぁあぁ――――!!」

 腰をガクガクと大きく上下に揺らし、美奈が昇り詰めた。意外な程に激しい美奈の昇り詰める姿は、誘うように蠱惑的で、見惚れてしまうほど美しい。
 昇り切った美奈は、まどろみを消化するのが精一杯なのだろうか。吐息を洩らしながら刹那の間、虚空を眺めていた。
 美奈はまだ、何をされているのか気づいていないのだろう。
 虚空を見つめた夜空のような双眸は、押しつけられた快感に浮かされるように、まどろんでいた。
 人気のない夜の公園で、殆ど会話をした事もないクラスメイトを、半裸に剥いてレイプする……何というヤバいシチュエーションだろうか。
 美奈があまりに魅力的で、止めるという選択肢は既に、頭の中から抜けて出ていた。
 それは今も同じだ。
 ドキドキと胸を打つ鼓動は、煩いくらいに激しい。胸を焼くような痛みまで伴い、締めつけるように苦しい。
 ズボンの中で熱り勃ったペニスは、興奮状態でビクビクとのた打ち回る。溢れるカウパーをパンツに擦りつけ回り、濡れた生地に冷たさを感じる。
 漸く収束したのか、美奈の瞳がこちらを向く。
 美奈の双眸は真吾の姿を認めると、驚きに大きく見開かれた。

「――え!?な……×んx×!?――なぬ……なん……なな、何で……!?」

 美奈はだいぶ混乱しているのか、発せられた言葉は真吾に理解できなかった。意味不明な日本語(あれは日本語か?)で、喫驚の声を上げる美奈。
 気持ちはわかる。
 意識が戻ったかと思えば唐突に絶頂を迎え、視線の先には送り狼よろしく――会話もろくにしていないクラスメイトに、アソコを舐められているのだから。

「た――たたた滝川くん!?私、どうなって……あの、これはどういう……事なの……ねえ、滝川くん……」

 呂律に少し怪しい部分はあるが、言葉は理解できるものになった。人物を判別しているという事は、自我はしっかりしてると認識できた。
 今にも泣き出しそうな苦痛に満ちた双眸は、自身の淫核に未だ口づけているクラスメイトを、瞬ぎもせずに見ていた。
 美奈の打ち震える細い声音には悲愴感が漂い、真吾の心は悲鳴を上げたように、キュッと痛んだ。なのに破廉恥な美奈の姿に、心惹かれてしまう矛盾した自分に真吾は苦々しい思いを懐いた。
 遣る瀬無い思いの全てを劣情に変えていくしか、苦しみから逃れる術を真吾は未だ知らない。心は悲痛に喘いでも、下半身は別人格だ。

「――滝川くんがどうして、こんな……ああ!あっあっああ~っ!」

 美奈の言葉の終わりも待たずに、口づけた唇を徐に真吾は動かした。淫核への口づけを強めると、そのまま唇にクリトリスを抱き込んだ。
 キュンとくる刺激に突き動かされた柳腰が、ビクンと大きく揺れる。

「はううッ!止めて滝川くん、やぁ……あっあっあ……っ!」

 美奈は逃れようと身体を動かそうとした――が、動かない。妙なポーズで固定された身体は、僅かな動きではビクともしなかった。
 切ない状況を憂えて、美奈が歪んだ眦に涙を浮かべる。
 拘束されたように動かせない身体を、クラスメイトの男子が好き勝手に貪る。勃起した淫核を自分勝手に嬲り、卑猥な音を響かせながら、咀嚼するように我欲剥き出しにしゃぶられる。
 ヒクヒクカクカク――快感で足腰が痙攣し始める。アクメを迎えたばかりの敏感な場所に、強制的に快感を送り込まれた身体が、余韻を消化しきる前にもう一度、昇らされようとしていた。止めてくれないと悟ったのか、諦めたように声を殺す美奈。

「だめ!滝川く――いく……やっ……いやぁ……止めて、だめだめだめェ!イっちゃう……滝川くん、やだ……んんんんんん――――ッ!!」

 見ているだけでも切なくなるような、美奈のイキ姿。イキ顔は可愛く、捩れる括れは芸術品のように美しい……忍ぶ喘ぎ声は、何故かメチャクチャにしてしまいたくなるような衝動に駆られる。
 ぐったりとベンチに沈む細い体躯に、真吾はそっと覆い被さった。
 手折れそうな程に細い首筋に口づけると、シャンプーの匂いが鼻腔を擽る。美奈の香りは柔らかで甘く、脳が溶けてしまいそうな程に痺れた。

「んっ……ダメ、どうしてこんな……何で、こんな事……」

 眦に新しい涙を浮かべ、その痛切な表情に心は痛みで軋んだ。
 なのに、強い拒絶を美奈から感じられないのは何故なのだろう。
 ただひたすら悲しげに潤む美しい瞳は、星空を隠すような雲に覆われしとどに濡れる――燃え上がるような昂ぶりは、痛々しい美奈の姿に鎮められた。

「ごめん、大崎さん。こんな事して……」

 美奈の頭を咄嗟に抱きしめてしまったのは、目を合わせるのが怖いからだった。
 怖い程に美しい瞳を見てしまうと、怖気づきそうになる……。
 真吾はそれが怖かった。

「僕には大崎さんを襲わなくちゃいけない理由があったんだ――って聞いても、は?って感じだよね……」

 何も言わない彼女に気まずいものを感じながら、真吾は美奈の下腹部に手のひらを当てた。
 黒い靄がフワッと沸き立つ。
 靄は何故か、駅で視た時よりも薄いような気がした。美奈にこれが視えるだろうか……。

「僕の手を当てた所に、大崎さんの目には黒い靄みたいなの視える?」

 示す場所を刮目するように、怪訝そうな顔をしながらもジッと見つめる美奈。

「……良く、わからない……かな。言われれば何かあるような、無いような……」

 だが視えるかどうか、どちらとも無いように感じているようで首を傾げた。
 目視が薄いと感じた胸騒が的中して、真吾は少し焦りを感じた。

「そう……夜だからなのかな、それとも僕の能力が弱いからか……?」

 第二の覚醒とやらが失敗したのが、響いているから?
 それとも夜は、陽の気が低いとか……若しそうだとしても、力が万全なら問題にもならないはずである。

「駅で視た時より弱いけど、僕にはその靄が視えてる……大崎さんは、視えない?」

 頷いて良いのか首を振るべきなのか、美奈は戸惑いながら曖昧に答えた。
 美奈には靄が視えていないのだから、仕方のない反応である。
 視えないものを、どう説明するべきか……苦悩する心が、焦りを感じ始める。こんなアクシデント、全く予想していなかった。

「視えているものとして、話を進めさせて貰うけど……その靄は君が堕児という生物に、ココが寄生されてるって証拠なんだ」

 そう言って、下腹部をポンポンと真吾は軽く叩いた。
 美奈は裸のお腹を叩かれているからか、剥き出しの恥部に近いからか、恥らうように頬を赤らめて、モジモジと太腿を擦り合わせた。
 可愛い彼女の恥じらいに、ズボンの中の膨張がピクンと反応した。
 本心は早く美奈の|膣《なか》に挿入りたい。こんな面倒な説明なんてナシに、美奈とエッチがしたい。
 真吾だって思春期の男子だ。
 いつまでもお預けの状態が保つほど、大人ではない。その衝動を我慢していられるのは、彼女がクラスメイトだからだ。
 なるべく穏便に、真吾も済ませたいと思っているのだ。

「僕はその堕児を、精液で殺す事のできる唯一の能力者なんだ」
「……だから、私を襲った……って、言うの……?」

 美奈の疑念めいた当惑の表情に、彼女が自分の言葉を信じて良いのか疑っているのだと、真吾は感じた。
 仕方のない事だと、理解してる。それが普通だという事も、わかってる。
 わかっていても、悲しいものだな……。
 血を分けた美里ですら、靄を見ても猶――真吾の話を、信じ切れてはいなかったのだ。他人がもっと信じ切れないのは、当然なんだ。
 なのにどうして、美奈に疑念を持たれた事が、こんなに悲しく感じられるのだろう。
 真吾は落胆を隠し切れず、静かな声で呟いた。

「――やっぱり信じられないよね……」

 襲いたい為の妄言だと、思われてるんだろうか。
 未だ当惑気味に思い悩む彼女を見て、真吾は肩を落とした。
 意識の無い美奈を襲ったのだから、確かに言い訳にしか聞こえないかもしれない。でも、若しもそうなのなら……とっくに美奈の身体を、ペニスが貫通してる。こんなまどろっこしい説明なんてナシに、犯してるよ……。
 握り締めた拳が、グッと力む。
 幾ら口説いたところで、荒唐無稽な話に理解を求める方がどうかしてるのか。犯す事でしか解決はしないのだから、思い悩むだけ無駄なのか……?
 苦悩に揺れる心が、痛みを伴いギュッと撓む。
 救いたいのなら迷うべきではない。
 心の奥底から、そんな声が聞こえた気がした。

「信じ……られない訳じゃ……でも、急に言われても……」

 当惑に揺れる眼差しが、落ち着きなく彷徨う。
 美奈の中の疑念を払拭するのは、無理なのかもしれない……。
 真吾は、腹を決めた。
 さっき自分でも思ったはずだ。どの道、レイプでしか堕児の存在は解決できないと……。
 すぐに信じてくれなかったとしても、堕児を放って置けないのなら、いい加減そろそろ自覚すべきだ。
 犯す事が、救う事なのだと――。

「死んだ堕児を見て貰うしか、ないみたいだね。ごめん、大崎さん……」

 ズボンのチャックを下ろし、勃起したペニスを真吾は開放させた。
 狭苦しい制服のズボンから開放されて、ビィンと飛び出す彼女の肉体を貫く為の肉凶器――ふたりの胸と胸の、僅かな空間に影を下ろす雄々しい剛直のシルエット。美奈を犯そうとビクビクと震える禍々しい影は、彼女の目には凶悪で醜悪な異物に見えているだろう。彼女の|膣《なか》に汚らしい欲望を吐き散らすのだから……実際その通りだ。
 ペニスを目にした美奈はそれを凝視すると、衝撃に顔を引き攣らせる。
 様々な思いが彼女の瞳に去来しているのか、震えるように双眸が大きく揺れた。瞬きを忘れた見開かれた瞳はやがて、貯めた涙をまた落下させた。
 何をこれからされるのか、彼女にも察しがついているのだ。

「――やめて?滝川くん、お願いよ……」

 美奈は驚きと怯えの浮かんだ顔を、僅かに振る。
 溢れた涙がついに耐えかねたように堰を切ると、なだらかな頬を幾筋もの涙が落ちていく。その涙は首筋にまで伝い、口づけた時に塩辛い味を真吾の唇にも残した。
 口に広がる苦い、レ●プの味――。
 心ともなく美奈の方を見てしまう。
 美奈もこちらを見つめていた。
 何とも哀切この上ない彼女の泣き顔に、心はズキリと痛んだ。
 どうして美奈は責めないんだ……。
 大した拒絶もなく、何故と問うだけで行為を受け容れる美奈。責め苛む事も無く、ただ泣きながらもレイプを受け止める美奈に、真吾は苦々しい思いを懐かされていた。
 強く拒絶された方が、まだマシだ。真吾は酷く切なく、遣る瀬無い気持ちになった。
 美奈は頻りに「どうして」と尋ねるが、真吾も彼女に聞きたかった。
 どうして責めないのかと……。
 まるで悲鳴を上げるように、何故か切なく心は喘ぐ。その痛みを、どうする事もできずに持て余す。

「……たき……川くん?」

 真吾は涙を流す美奈の眦に口づけていた。
 美奈はその口づけに眉根を寄せながら、そっと目を閉じる。
 閉じたろころに、舌の先がすくうように涙をそっとなぞると、暖かい唇が美奈の眦にまた、被せられた。涙を落とす眦に……泣かないでくれと囁くように、真吾は口づけた。

「どうして……?」

 美奈は、か細い声で尋ねた。
 何故こんな事をしているのか、どうしてキスしてるのか……真吾自身にも理由は、わからなかった。
 怯える美奈を慰めるように、真吾は頬に指で触れる。キスの瞬間に閉じられた美奈の瞼が、微かに切なげに震えた。
 何故かキスは拒まないんだね、大崎さん……。
 眦から唇を離すと、細く開かれた彼女の瞳が真吾を見つめた。
 真吾も、その瞳を見つめ返す。
 哀切この上ない二人の視線が、息を感じる距離で交錯する。
 真吾はたった今剥がした唇を頬に近づけていくと――チュッと、美奈の頬に口づけた。唇にキスをしないのは、僅かに残る良心からだった。
 薄く開いた彼女の瞼が、切なげに歪む――美奈の目から一滴、涙が流れた。

「こうするしか君を助ける方法はないから……ごめん、君を犯すね」

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2018/08/04 00:00 | 竜を継ぐ者~黄の刻印の章(世界はエッチと愛で救われる)COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

竜を継ぐ者(23)彼女の前髪が長い理由



「――ご……ごご、ごめんなさい!」

 うっかり真吾の肩に頭がもたれ、泡をくったように謝る美奈。跳ねるように急いで起きる姿は、何と言うかちょっと滑稽で愛らしくすらある。
 頭を首に座らせて置くのも、そろそろ困難そうに見えた。
 大丈夫なんだろうか……隣りの美奈を気にかけると、あまり平気には見えない。重そうに項垂れる頭を、フラフラと揺らしていた。
 見てられないな……。
 美奈の頭に手を添えると、真吾は首の上に戻ろうとする頭を自分の肩にボスッと押しつけた。

「た……滝川くん!?あ、あああ、あの……っ」

 美奈の顔が茹蛸のように真っ赤に染まる。
 真吾もメチャメチャ恥ずかしい――が、場合が場合だ。

「まだ下車駅まで15分はあるんだろ?無理しないで、そうしてたら?」

 流石にテレが凄まじく、美奈の顔が直視できない。
 なるべく平静は装っているが心臓はドキドキと煩いし、緊張はどうしたってしてしまう……彩夏に慣れただけであり、女の子に対して慣れた訳ではないのだ。
 少し前ならこんなリア充爆発しろみたいな事は、無かったよなぁ……自分に起こる事も有り得なかったし、自分からやる度胸も勿論なかった。
 堕児に関わってから、その辺りが加速度的に変わったと思う。
 それが良い事なのかどうか悩むところではあったが、取り合えず今は役得なのだと思おうと真吾は自分を納得させた。

「あの――誤解されたりとか……滝川くん困るんじゃ……」
「っぷ、誰に?」

 そんな心配をされる事があまりに意外で、真吾は噴き出してしまった。

「えっ……どうして笑うの?」
「いや、変な事を気にするんだなって……僕に彼女がいるでもないのに」

 そう言うと、美奈は困ったように俯いた。
 何だか彼女の頭上に、飛んでいく汗の幻が見えたような気がした。

「だって……あの……私なんて嫌じゃ……って……」
「別に嫌じゃないよ。それに――」

 どうやら美奈も我が家の姫君のように、先に相手を気遣うような子らしい。
 誤解を気にするなら、女の子の美奈の方なのに。

「どっちかって言うとそれ、僕の台詞だ」
「――そんな事ない……誤解されて困る相手もいないし……」
「なら良いけど。変な事に気を回さなくて良いよ――嫌でないならね」
「……うん」

 天使の輪くっきりの頭が、安らぎを求めるように元の場所へと納まりに向かう。
 どうやら、少なくとも嫌がられてはいないようだ。取り合えず一安心だな。嫌がられてたら、これから先が憂鬱になる。
 自分の身体にもたれて安らぐ美奈に、何の気なしに目を向けて真吾はドキッとしてしまった。
 胸元に頭が来ているのだ。
 肩を貸してるつもりなのに、抱いてる気分になるじゃないか……本当に小さいんだな。腕にスッポリ納まってしまう程に小さい美奈のか弱い雰囲気は、これぞ女の子という感じ。
 性格も大人しいし、まるで小動物みたいだ。
 それもウサギとか子猫とか、保護欲を掻き立てられそうな感じの小動物。
 守りたいと感じさせるような抱きしめたくなる可愛さは、女の子らしい女の子ってこういうのかなと勝手なイメージを懐かされてしまう。
 何せ、自分の周囲にいる女の子が千佳と美里だ。美奈のような雰囲気の女の子は周囲にはいないし、比べてしまうのも仕方ない。
 真吾は、急に意識し始めた。
 これからこの子を抱くのか……と。
 ぎこちない緊張は解けたものの、別の緊張が身体に降りてきてしまった。
 思わず美奈の身体に、目が向いてしまう。緩やかな起伏に細い腰……オイシソーな身体のラインを目にして、思わずゴクリと喉が唾液を飲み下す――。
 真吾は、ハッとした。
 いやいやいや、こんな場所で何を考えてるのか。人目のある場所で、女の子の身体を舐めるように見るなんてバカか、変態かよ!
 真吾は目を逸らそうと、車窓に目を向けた。
 なし崩しに犯してきた今までとは、何か違うものを真吾も感じていた。
 これからこの子を抱くと意識しながら、エッチする相手と行動を共にするという状況は、真吾もはじめてだ。意識するとヤバいくらいに緊張してくる。
 若しも彼女がいたら、こういうものなのかもしれない。
 例えばデートの日に、今日こそは彼女とエッチするんだと心に決めて、デートの最中にも凄まじい緊張を男は味わうのだろう。
 そんな緊張が心身を満たし、駆け巡っていく。
 抱くのかと意識すると、もうダメだった。マイジュニアが、意識と共に一気に膨張を始めてしまった。
 どうしよう……このままではマズい。彼女にバレたら、何と思われるか。
 諌めようと四苦八苦してると、美奈の頭が不意に動いた。

「た……滝川くん?」

 窺うように、美奈がこちらを僅かに見上げた。
 さらりと流れた前髪が、瞼の上を軽やかに滑っていく――その瞬間、隠れていた美奈の目が片方だけ露となった。
 その刹那、はじめて美奈と目が合あった。
 ドキリと心臓が大きく跳ねたと思うと、真吾は息を呑んだ。
 綺麗だ……。
 彼女の目の第一印象は本当にその一言に尽きた。他には何も浮かばない程に美しい、吸い込まれてしまいそうなくらいに綺麗な瞳。
 漆黒の黒曜石に星を散りばめたような彼女の瞳は見惚れる程に美しく、蛍のように儚なげに揺れる光は、神秘的な雰囲気が漂っていた。
 思わず言葉を失い、放心したように真吾は美奈の瞳を見つめた。
 美奈はボッと顔から火が噴いたかと思うと、真吾の視線から逃れるように俯いてしまった。
 残念……見えなくなった事を、真吾は心底残念に思った。
 もっと見つめていたかったな……などという気持ちが芽生えると、彼女の顔を見てみたいという欲求に駆られた。
 あんなに綺麗な目を美奈はどうして隠しているのだろうか。
 真吾はそれが不思議で、喉に引っかかった小骨みたいに気になった。

 ◆◇◆

 午後6時を30分は回ってしまった為に辺りは既に暗く、空には綺麗に星が瞬いていた。
 目の前に広がる森林は鬱蒼と暗く、歩道に等間隔で設置された街灯の光も頼りなげに思えた。昼は違うのだろうが、暗くなると本当に寥々とした雰囲気のこの森林公園。街の郊外だからなのかもしれないが、それでも人気があまりに少ない。
 美奈は、いつも寂々寥々とした道を帰宅しているのだろうか。

「はあ、はあ――流石に……疲れた……」

 そこそこ大きな池に、張り出すように設置された休憩用の東屋。東屋にあるベンチ――15人近く座れそうな座卓のような大きさ――にドサッと腰掛けると、真吾はそのまま寝転んでしまった。
 結構な距離を歩いて来たので、もうクタクタだった。
 公園に差し掛かったところで美奈が倒れて、美奈はそのまま気を失ってしまった。その美奈を抱いて、真吾は東屋まで連れて来た。
 美奈の家は知らないし、このまま放置もできない――それ以上に、真吾は美奈を堕児憑きから救わなくてはならない。例え知っていたとしても、家には連れて帰れなかった。
 小説のヒーローのように、何か大きな後ろ盾でもあれば違うのだろう。単独でコソコソとする必要も、無いのかもしれない。
 だが、真吾にはそんなものは無い。後ろ盾なんてものも無ければ、代わってくれる人もいない……。
 この選択は、仕方のない事だった。
 美奈が寝ているその横に、万歳状態で真吾は身を投げ出した。
 屋根の合間から夜空が見える。冬の足音が聞こえる11月の空気は、星が鮮明で綺麗だった。夜空を見上げた事など、そういえば無かった。たまにはこういうのも、悪くない。
 冷たさを帯びたそよ風に汗ばんだ頬を撫でられ、真吾は目を閉じた。
 静閑な虫の声、小さな漣のような池の水面の音……静かだな、人の声もしない。
 まるで別世界に迷い込んでしまったようだった。
 静かな空気は嫌いじゃない。自分自身がそうだし、落ち着く……。

「――って、こんな事してる場合じゃない」

 真吾はハッと起き上がると、隣りに横たわる美奈の様子を窺った。
 倒れた時よりも気息奄々で、悪化してるように見える。
 赤々と熱を帯びた頬に浮かんだ汗は、筋を作し緩やかな肌を滑っていく。美奈の意識は今も、戻ってはいないようだった。

「大崎さん……」

 彼女の名前を呼びながら、玉のような汗が光る肌に張り付いた前髪を指で梳いてやった。
 露となった美奈の素顔は、まるで目覚めを待つ人形のように綺麗だった。美人と言うには雰囲気が少し違う。どちらかと言えば可愛いに近いが、ぴったりという表現でもない。
 趣のある美しさは、可憐という言葉が一番しっくりくるなと真吾は思った。

「これは――傷か……?」

 鼻の上の額の部分――そこに3センチ程度の切り傷のような細い傷跡。不自然な程に長い前髪のは傷を隠す為のものだと、真吾は思い知った。
 顔の傷を気にかけない女性などいない。
 傷を誰にも見られたくないが為に、綺麗な顔を異様な風体で隠す悲しい乙女心――それを思うと、真吾は言いようもない切ない気分に囚われた。
 人目を引く傷でもないのだから、気にせず顔を出せばいいのに……と、思ってしまうのは真吾が男だからだ。
 胸の奥が痞えたような、塞いだ気分は何なのだろう。これから美奈を襲おうというのに、何故こんな気持ちを懐くのか。
 彼女の髪を梳いた指を、そのまま顔のラインに沿って、ツツ――と這わせると、ピクリという反応を返す美奈。
 意識がなくても感じるものなのか……?
 頬まで下ろしてきた指を、顎から首筋にかけて這わしていく。
 美奈はピクリとしながら――、

「あっ……あんっ」

 唇から艶のある声を零した。
 話した時の消え入りそうな声とは全く違う、実際の彼女の声――美奈の悦楽の声は、まるで夜に漂う金木犀の芳香のようだった。可愛く可憐で……脳を痺れさせるような、蠱惑的な甘い音色。
 気がついたらペニスはガチガチに勃起し、ズボンの中で強く反り返っていた。
 この程度の反応で、こんなになってしまうなんて。驚くほど過敏なマイジュニアに、真吾は少し恥ずかしい気分になった。
 違う……そうじゃないと、真吾は気づいた。
 電車の中でも美奈を意識し、既に勃起してた。
 美奈の素の魅力に、強い劣情を感じていたではないか……。

 サワサワサワ……。

 木々がそよ風に撫でられて、葉ずれの音を奏でる。
 星が降るように輝く夜空の下――眼下で力なく横たわるクラスメイト。今日以外に話した事も殆どない彼女の細い身体を、ボーっと真吾は眺めた。
 大きく上下を繰り返す、肌蹴た胸のなだらかな脹らみ。薄白い街灯の灯りに浮かび上がる、白さが艶めかしい細い太腿。文化部らしく生白い肌には、発情による発汗が玉となり弾けるように浮かび上がって――真吾の目に嫌にエロティックに映る。
 薄明かりに浮き出た彼女の肢体を、様態を気遣う目から――いつしか舐め回すような、いやらしい眼差しで真吾は眺めていた。
 本当は、意識を戻してからと考えていた。
 美奈に意識がなければ口説けないし、自我の有無についても気にはなった。
 しかし芽生えた劣情は、心を無視して加速度的にどんどん脹らむ。
 意識のない彼女を犯して本当に良いのか、罪悪感が抉るように心を苛む。今更それを躊躇した所で、堕児が寄生している以上は犯さなくてはならない。意識を取り戻した美奈が拒めば、どとの詰まり結果は同じ――襲うしかないのだから。
 彼女を抱きたいと思う気持ちは、自分自身にもどうにもならない。
 真吾は躊躇いに震える指先を、美奈のワイシャツに掛けた。

「犯しちゃうけど、ごめんね。助ける為だし……不可抗力、だよね?」

 ボタンを外す毎に露となっていく、美奈の白い胸元――肌蹴けさせると、薄いグリーンの可愛いブラジャーが完全に顔を出した。
 ふわっとした控えめな脹らみは、美里よりも小ぶりに見えた。
 下着を着衣したままの双丘を手のひらで丁寧に包み込むと、手のひらに収まる可憐な脹らみを、脇から寄せるようにギュッと掴む。
 手のひらにすっぽりと収まるサイズの美奈のおっぱいは、確かに大きいとは言えない。だが外見からわかる大きさから思えば、想像以上のものだと真吾は思った。
 熱を帯びた双丘を揉み上げながら、天地創造の如く隆起させた谷間に口づけると、柔らかくふんわりとした幸せな肉感が真吾の唇をやんわりと包み込む――。
 押さえが、利かなくなった。
 もち肌の美奈の肌は心地良く、ふわっとした質感は小ぶりでも十分に満足できる。その柔らかい脹らみにチュッチュッと舌と唇でキスを施しながら、堪らない感触に痺れるように酔いしれた。肌理の細かい美しい肌は飽きる事なく、何時間でも口づけられるような至高の肉感だった。
 美奈の素肌に、魅了される程の感動を真吾は覚えた。

■ |大崎美奈《おおさきみな》
 真吾のクラスメイト。
 額の傷を気にして、長い前髪で目元下まで隠してる、物静かで引っ込み思案な女の子。凄く小柄で、折れそうな感じに痩せ型。
 美術部に所属しており、休み時間は絵を書いて過ごすなど絵を描くのが大好き。いつもスケッチブックを持ち歩いてます。
 そのスケッチブックは恥ずかしい時に顔を隠したり、壁の役割も果たす(笑)
 リアルのモデルは特にいないのですが、イメージが近いなぁと思えるのはアニメ東●喰種:reの鈴●什造の女装した時……が一番しっくりくるイメージです。
 とびきりの美少女という訳では無いし、美人でも無いけど、綺麗……そんな絶妙な雰囲気の女の子です。
 私もイメージがなかなか掴めなくて(脳内にはあるんだけど)、何回も描き直しました。それでも上手く表現できなくて、時間も無いので諦めました(笑)
 目の雰囲気だけに気を使って描き上げましたが、未だに美奈のイメージイラストは未完成です。まぁ、こんな雰囲気って事で……。
 身長は150センチ。スリーサイズはB83 W54 H84。
mina3.png

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2018/08/03 00:00 | 竜を継ぐ者~黄の刻印の章(世界はエッチと愛で救われる)COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

竜を継ぐ者(22)無口なクラスメイトの女の子との急接近



 駅から離れた場所に建てられたこの学園は、丘の上に建てられている所為もあって何とも長閑な雰囲気の場所にある。
 徒歩で30分は歩く通学路には、丘だけに傾斜も勿論待っている。
 真吾が利便の良くないこの学園を選んだ理由は、聞かずもがな――中学時代の同級生と一緒になりたくないから――である。
 理沙の所を出ると、午後5時を30分ほど過ぎていた。
 これから30分の距離を歩くのかと思うと、少し憂鬱だ。

「また今日もアニメ時間に間に合わないな。あーあ……」

 真吾は小声で独りごちた。
 夢の内容に美里との事を添付させ、理沙に話して聞かせてきた。
 理沙は現実を見るべき学者畑に寄った人間だが、真吾の胡乱な話を躊躇いもなく信用してくれた。恐らくその背景には、堕児の解剖結果も絡んでいるのだ。
 それが真吾の語る内容を裏付け、理沙の信用へと繋げたのかもしれなかった。
 堕児の内臓器官からは、血液以外に3種の液体が採取された。
 食道から直結した器官――胃と思しき器官からは精液が採取されたが、恐らく自分のものだ。
 精液が堕児の糧だという、夢の内容がまた一つ現実世界で実証された。
 尾の内部には、管状の器官が通っている。尾の先は注射針のようになっており、そこから排出できる仕組みになっているようだ。
 堕児の死骸の外見からは、注射針など目視できなかった。恐らく猫の爪のように必要な時にだけ、内から出せる仕組みになっているのではと理沙は推察した。
 尾の管と繋がっている内蔵器官から発見された液は、理沙が気にかけていた催淫効果を促すらしい液体だった。
 簡単なマウス実験を行った結果、雌だけに興奮効果が発揮された。
 詳しい成分だとか、更に細かい実験の結果には日が必要らしいが、検査結果を待たずして得られた実験結果が一つあったらしい。
 液には睡眠を促す効果もある事が、偶然発見できた。
 マウスの小さな身体には、どうやら効き目が強すぎたようなのだ。催淫液を注射した雌は、興奮状態に陥った後、深い睡眠状態となった。
 脳波形をそのうち調べてみたいな……と、理沙は呟いた。
 無茶苦茶な、学校に機材を持ち込むつもりか。それに協力してくれる被験者がいないと、無理なのでは……。
 ただでさえ救助の方法が疾しい真吾としては、無闇に人を巻き込みたくないのが本音だ。理沙が協力してくれるのは有り難いが、妙な実験に生徒を巻き込まなければいいけど……と、真吾は不安になった。
 安心はできないと思う。何せ、澤井先生だからな……。
 3つ目の液は検査の結果が着てからでないと、何であるかも判明しないようだ。
 マウスに注入しても変化は見られず、餌に混ぜて与えたりもしたらしいが――何も変化は起きなかったようだ。
 そして堕児にメスを入れて次の日――今日だが、奇怪な事が起きた。
 解剖した堕児の遺骸が、溶けて赤黒い液体に変化してしまったのだ。採取した液体の方は特に変化は起こらなかったが、切り刻まれた遺骸の方は水分へと変貌を遂げた。
 夢の内容の通りの正体なのであれば、元から実体などあって無いようなものだ。元々からこの世のものではない……何が起こっても、特に不思議はない。

「だいぶ遅くなっちゃったな……」

 駅に着くと、既に6時を回っていた。
 一年以上も通っている学校ではあるが、矢張りこの距離は疲れる。運動不足の解消には良いが、この上に運動部なんて良くやるなぁと真吾は思う。
 駅構内は帰宅のピーク一歩手前の時間の為か、やや混雑していた。その殆どは会社帰りの社会人だが、大学生やうちの学園の生徒の姿もチラホラ見える。
 階段に差し掛かると、目の前に美しく長い黒髪が視界に映った。
 3段ほど上を歩くその黒髪は記憶に新しい。

「――危ない!」

 学校の制服に身を包んだ少女の背中が、長い黒髪を靡かせて真っ直ぐ真吾の方へと落ちて来る。胸にすっぽりと収まるくらいに華奢な体躯を、真吾は当然のように抱き止めた。
 抱き止めた後で、ホッとするように真吾は息を吐いた。
 後先を考えずに思わず抱き止めたけど、後ろに倒れなくて良かったなと。彼女が軽くて助かった。体勢が僅かにグラついたが倒れる事はなかった。
 抱き止めた瞬間に、手が少女の身体の下腹部に偶然に当たる。
 フワリと黒い靄が、視界に映った。
 この子……堕児に憑かれてるのか!?
 その手をすぐに引っ込めた。靄の存在は自分と、犯す相手にだけ見えれば良い。無関係な人間にまで見られたら、無用な騒ぎになってしまう。
 まさかこんな所で……戸惑いを少なからず感じたが、真吾はすぐに平静を装うと、腕の中の少女に視線を移した。
 腕の中の少女が、向けられた顔に気づいて驚きを露にする。彼女の顔に、恥ずかしさ以外で理解できる感情を見たのは、はじめてだなと真吾は思った。
 少女は焦ったように腕の中で慌て、そして今にも顔から湯気が立ちそうなほど、見る見るうちに頬が染まっていく。
 腕の中にいたのは、恥ずかしがる仕草が可愛いクラスメイトの女の子。

「大崎さん大丈夫?」

 今も慌てている胸の中の大崎美奈に、真吾は微笑みかけた。
 彼女の表情はあの前髪で良くわからないが、焦っているのは見ればわかる。

「あ――あり……ありがと」
「立てる?」

 頷く美奈を、真吾は地面にそっと降ろした――が、足が着いた途端に美奈の身体がよろっと崩れかけてしまう。

「――おっと……」

 真吾に抱き支えられて、美奈は再び真吾の腕の中に逆戻りとなった。

「ご……ごめんなさ――」

 焦った美奈は、急いで離れようとしているのかジタバタともがく。しかし矢張りふらつくのか、腕の中でよろめきかけた。
 美奈の様子をじっくり見ると、息も荒いし発汗も催している。真吾の見立てでは、もうそろそろ立っているのも辛くなる頃合の一歩手前というところだ。

「何かフラフラしてるね。発汗もあるし、体調が悪そうだよ?」
「だっ……大丈……夫」
「全然大丈夫じゃないじゃん。まったく……家はどこ?」

 言葉に詰まったように戸惑うと、美奈は俯いてしまった。
 本当に彼女が相手だと話が進まないな……昨日の朝に抱いた懸念の通りだと、真吾は溜息をついた。

「僕が家まで送るよ。家はどこなの?」
「そ――そんな……悪いし……」
「そんな状態の大崎さんを、放って帰れる訳がないだろ?」

 と言うと、フッと一瞬顔を上げる美奈。
 しかしすぐに再び恥ずかしそうに俯く――いったい何なんだ。

「だって……迷惑だもの……」
「別に……全然迷惑じゃないよ」

 見つめる真吾を美奈は、刹那の間ボーっと見つめ――また俯いてしまった。本当に何なんだよ。
 美奈は友人ともこんな感じなのか?
 少し強引に進めないと、気づいたら30分経ってました――なんて事にもなりかねないのでは……。

「悪いとか迷惑とか考えなくていいからさ――僕に、君を送らせてくれない?」

 僅かにこちらを見上げて、覗き込むように見ている美奈。
 心を隠すような彼女の長い前髪が、表情を覆い隠してイマイチ読み取れない。だが迷惑に感じていなさそうな隠微な空気は、そこはかとなく真吾にも汲み取れた。
 やれやれと心の中で真吾はボヤいた。感情の起伏どころか、表情からも解読できない女の子との会話は難解だな……と。

「……どうして?何でそんなに優しく……」
「どうしてって……当たり前だと思うんだけど。こんな状態で遭遇したクラスメイトを、放って帰れる方がどうかしてる」

 彼女の帰りの道中を心配する気持ちは、建前ではない。事情云々が無かったとしても、放っては置かなかったと思う。
 真吾は元から関わってしまった事を放って置けない性質だが、今回はそれ以上に気にするべき問題――堕児の存在がある。
 美奈が寄生されている事実を知った以上は、放置できないという真吾の事情。
 送り狼みたいで気が咎めるが、美奈の状態はもう予断を許さない状況にある。どこでどうするかが完全にノープランだが、途中で考えるしかない。
 美奈は僅かに唇を綻ばせた。

「……うん――そうだね。滝川くんて、そういう人だよね……」

 気づかない程に薄っすらとした微笑みが零した呟きは、どことなく過去に思いを馳せるような懐かしさを響かせていた。
 だが美奈の声は、帰宅で賑わう駅の雑踏に紛れて真吾には聞こえない。

「ん――何か言った?」

 真吾はニコッと、美奈に微笑みかけた。
 スケッチブックを口に当てて美奈は、首をフルフルと振る。
 その様子が不思議で、真吾は小首を少し傾げた。
 何か言ってたと思うのにな……真吾の心には彼女の、柔らかい微笑みの謎だけが残された。
 
「そろそろ立ってるのも苦痛だろ?」
「で……でも……」
「いーから気にしない!行こ?」

 美奈の肩を抱き寄せてやると、腕の中で美奈の身体がピョンと僅かに跳ねた。美奈の思惟を読む事はできないが、このリアクションは理解し易い。
 擬音にすれば恐らくドキッだろうか……?
 人目のある場所での密着の心苦しさに斟酌すると、真吾は少し強引に彼女の荷物を受け取る。
 真吾は美奈に向けてニコリと口角を上げた。

「僕にくっつかれるのは嫌だろうけど……送るまでの間だからさ」

 美奈はフルフルと首を振った。必死さを漂わせる慌しい振盪に、首は平気なのかと変な心配をする。
 嫌ではない……そう思って良いのかな。これからする事を思えば、そうであってくれると嬉しいんだけど……と、真吾は思った。
 小さな細い肩を支えながら、美奈を連れて真吾は電車に向かった。

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2018/08/02 00:00 | 竜を継ぐ者~黄の刻印の章(世界はエッチと愛で救われる)COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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